(グレ)釣り選手権大会

第38回(2024年度)全国大会 大会結果

シマノ ジャパンカップ 磯(グレ)
第38回(2024年度)全国大会 大会詳細

24歳の新星・土肥倫太朗選手が前年度チャンピオン 川添晃司選手を破り
ジャパンカップ初出場で優勝!

 


 

1位 土肥 倫太朗 選手/2位 川添 晃司 選手/3位 竹中 満和 選手・谷水 亮太 選手

日時 2024年11月16日(土)、17日(日)
場所 五島列島 福江島 福江地区の磯(長崎県五島市)
主催 株式会社シマノ
後援 長崎県五島市、一般社団法人五島市観光協会
天候 晴れ時々曇り

去る2024年11月16日(土)~17日(日)「2024シマノ ジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権 全国大会」を五島列島・福江島・福江地区の磯(長崎県五島市)にて開催いたしました。
全国大会の舞台となった五島列島は数々の名礁を有する全国屈指の磯釣り場。全国大会の舞台にふさわしい地での開催です。

 

出場選手は、地区大会そしてセミファイナル大会を勝ち抜いた21名に、前回の全国大会上位3名のシード選手を加えた総勢24名の精鋭たち。今大会には前年度優勝者の川添晃司選手をはじめ、第29回優勝の田中修司選手、優勝5回で最多タイの6度目の優勝を狙う友松信彦選手など実力選手が出場。一方で20〜30代の若手選手も予選リーグやセミファイナルを勝ち抜いてきており、その活躍が期待されました。

 

今大会から大会スケジュールが、1日目に予選リーグ3試合を行い、その上位8名が2日目に行われるトーナメント戦(準々決勝、準決勝、決勝戦)に進出する形に変更されました。予選リーグ3試合は、毎回異なる相手とマンツーマンで対戦し、5尾の重量で勝敗を決定。勝った選手は勝ポイント(勝ち:3点、引き分け:1点、負け:0点)を獲得します。予選リーグの順位は、3試合での合計勝ポイントと合計重量差(各試合での対戦相手との釣果重量差の合計)で決まります。
予選リーグの対戦相手は15日に開催された前夜祭で行われた抽選会で決定しました。
また大会で使用できるタックル(ロッドとリール)は、今大会より予備タックルを含めてシマノ製品限定となりました。

 

初日の早朝、選手たちは大会本部となる五島市新港町埋立地に集合。エサ作りの後、大会スタッフによるエサチェックやタックルチェックを受けて、抽選順に3隻の渡船に分かれて乗船。大会会場の磯に渡りました。

予選リーグ 第1試合

11月中旬と思えないような温かい気温の中、いよいよ予選リーグのスタート。試合時間は予選リーグ、トーナメント戦ともに前半50分、後半50分の計100分(インターバル5分)。
今年の五島列島は例年以上にグレの活性が高く、前釣りで入った選手は数・型ともに良い手応えを感じていました。しかし、対戦相手も同じ状況なので、いかに5尾のリミットを揃え、さらにそのなかに良型を多く加えられるかが勝敗を決めます。
予想通りに多くの選手が5尾のリミットを揃えた第1試合を終え、相手選手と重量差を大きく付けて暫定1位に立ったのが田中選手。続いては昨年準優勝の竹中満和選手が2位、友松選手が3位、唯一の女性選手・山口美咲選手が4位、24歳の土肥倫太朗選手が5位につけました。
トーナメント戦で同重量の場合は予選リーグの成績で順位が決定。さらに準々決勝以降の釣座選択優先権も予選リーグの順位で与えられるため、この順位は重要となります。

予選リーグ第2試合

対戦相手を変えての第2試合。予選リーグで2勝1敗となっても、総合重量差によって準々決勝へ勝ち上がる可能性があるので、第1試合で負けた選手はより集中力を高めて試合に挑みます。潮の関係か第1試合と比べて釣果が伸び悩む中、2勝を上げて勝ポイント6点を獲得したのが7名。
その中で合計重量差で暫定1位となったのが竹中選手。2位は川添選手と昨年の決勝戦で対戦した2名が確実に上がってきました。友松選手や田中選手らも2勝をあげてトーナメント戦進出を狙います。
今年から開催されたU-35(35歳以下の若手選手の頂点を決める大会)から全国大会へと進出した髙橋武選手が、対戦相手に3,025gの大差を付けて暫定8位まで上がって注目されました。

予選リーグ第3試合

第3試合では2勝を上げている田中選手と川添選手、新立隆博選手と友松選手が対戦します。全勝7名の内、少なくとも2名は全勝の9点を獲得できないため、ここまで1勝1敗の選手もトーナメント戦進出のチャンスが増えます。
注目を集めたのが田中選手と川添選手のジャパンカップ優勝経験者の対戦。両選手ともに5尾を揃えて、そこからはサイズアップしての入れ替えを狙います。どちらも良型を含む釣果を上げ、どちらがリードしているか見ていてもわからないまま試合終了。港に戻っての検量の結果は、115g差で田中選手の勝利。この時点で3勝(勝ポイント9点)をあげて決勝トーナメント進出を決めました。敗れたとはいえ川添選手も重量差を最小限に抑えました。
友松選手は新立選手に1,231g差を付けて勝利し、決勝トーナメント進出を決めました。他に3勝をあげたのは竹中選手、谷水選手、土肥選手の5名。2勝1敗(勝ポイント6点)の中でトーナメント戦進出を決めた選手は、当日夜の懇親会で発表となりました。
懇親会でいよいよ予選リーグを終えての上位8名の発表。1位竹中選手、2位谷水選手、3位友松選手、4位田中選手、5位土肥選手、6位川添選手、7位江藤義紀選手、8位窪直樹選手の8名がトーナメント戦への進出を決めました。

準々決勝

準々決勝は、A組が竹中選手と窪選手、B組が田中選手と土肥選手、C組が川添選手と友松選手、D組が江藤選手と谷水選手の対戦となりました。
注目されたのが「平瀬の地の南」で行われた川添選手と友松選手の優勝経験者の対戦。朝7時にスタートしたこの試合は、今大会屈指の好試合となりました。
7時7分、まず友松選手が良型のグレを釣り上げました。その15分後に今度は川添選手が良型を釣り上げ、さらに続けて良型を追加します。7時30分頃に友松選手が続けて2匹釣り上げますがサイズが伸びず。その直後に川添選手が3匹目となる良型を釣り上げました。前半残り15分となったところで友松選手に大型と思われるヒットがありましたが、根に張り付かれて惜しくもバラし。ここで川添選手が4匹目となる良型をキャッチします。
友松選手は再度竿を大きく曲げて良型をキャッチして川添選手を追いますが、前半戦残り3分で川添選手がリミットの5匹目を釣り上げ、リードした状態で前半戦を終えました。
5分のインターバルで釣座を交代して、後半戦がスタートすると1投目で友松選手がグレを釣り上げ、両選手ともにリミットを達成しました。ここから友松選手は釣果を伸ばしていき入れ替えも成功。一方の川添選手はなかなかヒットに持ち込めずに苦戦しましたが、20分経過したところで後半戦の1匹目をキャッチして入れ替えを成功させました。
8時45分に試合終了。両選手ともに良型を揃えており、どちらが勝っているかは検量に持ち越されました。検量の結果は、川添選手6,838g、友松選手6,815g。23g差で川添選手が準決勝へと勝ち進みました。
A組の竹中選手と窪選手の対戦も接戦で34g差で竹中選手が勝利。B組は土肥選手がベテラン田中選手を766g差で破って勝ち上がりました。D組では江藤選手に谷水選手が勝利しました。
※注/準決勝と準々決勝は沖検量実施のため、釣果にフローティングスカリの重量(850g)を含みます。

準決勝

準決勝はA組が竹中選手と土肥選手、B組が川添選手と谷水選手の組み合わせ。昨年度準優勝で今年は頂点を狙う竹中選手と、初出場でここまで勝ち上がった新星 土肥選手の対戦は、前半戦は竹中選手が2匹釣ってリードする展開。両選手ともに釣果をなかなか伸ばせない中、竹中選手は前半50分で良型を含む4尾を釣り上げました。一方の土肥選手は前半は2匹のみ。ただどちらもサイズが良いため、後半にリミットを揃えれば試合はわかりません。
しかし、釣座を交代してすぐに竿を曲げてリミットの5尾を達成したのは竹中選手。そこからも続けて4尾を釣り上げ、入れ替えにも成功します。
リードされた土肥選手ですが、焦る様子もなく、五島の海を楽しむように釣り続け後半30分についにリミットの5尾を釣り上げました。そして終了まで10分を切ったところで大物がヒット。グレが足元の根に走ろうとするところを、手にした『BB−XスペシャルSZ Ⅲ』をズームアップし、さらに素早いフットワークで移動して根をかわして取り込んで見せます。これには後方で見ていたギャラリーからも大きな拍手が送られました。
この試合もどちらが勝っているのかわからない状況。竹中選手は6,970gの好成績でしたが、土肥選手が今大会最大重量となる7,253gで勝利。初出場で決勝戦へと勝ち進みました。
B組の対戦はやや喰い渋る中、川添選手が谷水選手に886g差をつけて2年連続の決勝戦進出を決めました。

決勝戦

決勝戦の舞台は「手代の地」。ギャラリーが見守る中、土肥選手と川添選手が磯へと到着。
釣座の選択権がある土肥選手が選んだのは海に向かって右側の釣座。大勢のギャラリーが見守る中、13時5分にホーンとともに決勝戦がスタート。
開始5分ほどで、最初に良型グレを釣り上げたのは川添選手。続けて2尾目、3尾目を追加して川添選手がリードを広げたところで、土肥選手が1尾目のグレを釣り上げました。ここからは土肥選手もペースを上げてグレを追加していきます。前半終了10分前に川添選手が5尾のリミットを達成。土肥選手も「前半終了5分前」の声と同時に5尾を揃え、両選手ともにここからは入れ替えのためのサイズアップ狙いとなりました。ラスト1分で川添選手が良型グレを追加したところで前半戦終了となりました。
5分のインターバル間に釣り座を交代して14時に後半戦がスタート。
「左の釣座が本命だと思い、後半に入れるように釣座を選びました」という土肥選手は、後半になってペースを上げてグレを釣り上げていきます。準決勝と同じく、手にした竿『BB−XスペシャルSZ Ⅲ』のズーム機能を活かしたやり取りで、大型グレもスムーズに取り込んでいきます。一方の川添選手も最後までグレを追加し、入れ替えを行いました。
14時50分、ホーンとともに試合終了。両選手ともに良型グレを5尾揃えており、後ろで観戦していたギャラリーにも勝敗がわかりません。
決勝戦の検量は港の本部受付で行われます。両選手は試合終了して3分以内に5尾を選んで、フィッシュバッカンに入れて帰港。そして検量がスタート。
土肥選手の釣果は5,608g、川添選手の釣果は5,445g! 163g差を競り勝った土肥選手がジャパンカップの頂点に立ちました。