(キス)釣り選手権大会

第38回(2024年度)全国大会 大会結果

シマノ ジャパンカップ 投(キス)第38回(2024年度)全国大会 大会詳細

坂手良祐選手が三連覇達成

 


 

1位 坂手 良祐 選手/2位 黒田 和比古 選手/3位 神崎 昂志 選手

日時 2024年6月15日(土)、16日(日)
場所 弓ケ浜(鳥取県)
主催 株式会社シマノ
後援 鳥取県米子市、米子市観光協会、公益財団法人とっとりコンベンションビューロー
天候 晴れ

去る6月15日(土)、6月16日(日)の2日間にわたり、鳥取県弓ケ浜にてシマノ・ジャパンカップ投(キス)釣り選手権大会を開催いたしました。

 

今大会に出場したのは、全国各地で開催された地区大会からセミファイナル大会の激戦を勝ち抜いた精鋭21選手に、2023年度全国大会上位入賞者3名のシード選手を合わせた24選手。


全国大会の舞台は大山の麓に広がる白砂青松の地、弓ヶ浜。数も型もねらえる抜群の魚影を誇るキャスター達から人気の釣り場です。時間や日毎に応じて状況は刻々と変化し、釣果を上げるにはその状況に合ったテクニックが求められます。まさに全国大会の舞台に相応しい釣り場です。
 
今年の弓ヶ浜のキスは、例年よりも遅れてシーズンイン。そのためか釣れる型も例年より小さく、今大会は匹数を伸ばしながらそのなかにいかに良型を入れていくかの戦いとなりました。
 
大会前夜は米子ワシントンプラザホテルにて前夜祭が開催され、翌日からの予選リーグ5試合のブロック分けやスタート順が決定する抽選会も行われました。前夜祭では日本各地から集まった選手たちが交流を深める場面が多く見られました。
 
6月15日(土)、いよいよ予選リーグ第1試合がスタート。SDGsを見据えた取組みに則り、今年、ハリ本数は5本以内から3本以内に変更。検量匹数は10匹までの総重量から釣れたキスの総重量と変更されました。


 予選リーグで選手たちはA・B・Cの3ブロックに分かれて5試合を戦い、釣りあげたシロギスの総重量によって各ブロックで順位が決定。その順位に応じて各試合でポイントを付与されます。予選リーグ5試合の合計ポイントで総合順位が決まり、上位3名が決勝戦進出となります(同ポイントの場合は占有率(%)の平均値で順位を決定)。

第1試合(大会1日目)

大会初日、24名の選手は6時45分に弓ヶ浜に設置された本部テント前に集合。各ブロックごとにタックルチェックをすませると競技ブロックへ移動。そこから抽選順に5秒間隔でスタートし、狙いの釣座へと移動していきます。
7時20分、開始のブザーとともに予選リーグ第1試合がスタート。今年の弓ヶ浜は小型のキスが多く、ハリも3本に限定されていることもあり、ほとんどの選手が手返し重視で2〜3色の距離を狙っています。1投目から3連でキスを釣り上げる選手も多く見られましたが、やはり全体的に小型が多い印象。20㎝以上が混じれば重量的にかなり有利になりますが、型狙いだと数が落ちる可能性もあり難しいところです。
 
第1試合の90分が終了。予選リーグは、各ブロックの中央部には帰着ボードが設置されており、選手は試合終了時間までに帰着札を操作して帰着申請する必要があります。釣座によって帰着ボードまでの移動時間が変わるため、どのタイミングで釣りを終えるかも重要。1投でも多く投げたいが帰着に間に合わないと釣果無効となるため、この駆け引きも見どころとなりました。


各試合毎に検量所に戻って検量。検量の結果、Aブロック1位は490gを釣った高本泰樹選手と阿形嘉博選手、Bブロック1位は613gを釣った神崎昂志選手、Cブロック1位は601gを釣った坂手良祐選手となりました。小型が多いとの予想の中、昨年覇者で二連覇中の坂手選手が600gオーバーで好スタートを切りました。

第2試合(大会1日目)

検量が終わったところで予選リーグ第2試合がスタート。選手たちは抽選時に決定した第1試合とは異なるブロックでの釣りとなります(ブロック内の選手の組み合わせも各試合で異なります)。この日の弓ヶ浜は、風はあるものの海は穏やか。もう少し風が吹いて波が出るとキスの活性も上がりそうです。また、第1試合後で釣果が落ちるのではないかとの予想も聞かれました。
しかし、さすが全国大会に勝ち進んできた選手たち。第1試合で掴んだヒットパターンを活かすなどして釣果を伸ばしていき、500g超えの釣果を上げた選手は第1試合の3名から7名へと増加しました。
検量の結果、Aブロック1位は537gを釣った黒田和比古選手。Bブロック1位は735gを釣った坂手選手、Cブロック1位は539gを釣った岡本哲選手となりました。500g超えの選手が4名と激戦となったBブロックを、735gという好釣果で制した坂手選手。数を釣りながら、その中に良型を加えていく釣りを展開されていました。


クリーンナッププロジェクト

第2試合終了後は昼食タイム。その後に選手、スタッフでのクリーンナッププロジェクトを実施。弓ヶ浜の清掃を行いました。

第3試合(大会1日目)

再び3ブロックに分かれて、1日目最後となる第3試合がスタート。開始直後は全体的に数・型ともに出てない印象でしたが、やがて風と波が出てくると釣果を伸ばす選手も出てきました。
試合結果はAブロック1位が621gを釣り上げた岡本選手、Bブロック1位は564gを釣り上げた黒田選手、Cブロック1位は574gを釣り上げた原孝選手となりました。Bブロックでは黒田選手が水深の変化がある場所(海の色が変化している場所)を狙い、手返し良くキスを釣り上げて釣果を伸ばしました。


 初日を終えて暫定1位が坂手選手(23ポイント)、2位が黒田選手(22ポイント)、3位が神崎選手(21ポイント)、4位が原選手(19ポイント)、5位は同じく19ポイントながら占有率により鷲巣隆洋選手となりました。
ディフェンディングチャンピオンの坂手選手が一歩リードしているものの僅差。さらに翌日の第4試合では暫定2位の黒田選手と3位の神崎選手が同ブロック、第5試合では暫定1位の坂手選手、2位の黒田選手、3位の神崎選手が同ブロックと1日目上位の選手がポイントの取り合いとなる展開。1試合で順位が大きく変わる可能性があり、どの選手が決勝戦に進出するかまだまだわからない状況です。

第4試合(大会2日目)

2日目は早朝5時に集合。タックルチェックを行って、競技ブロックに移動し試合スタートです。この日も海は穏やかで、喰い渋りが予想されました。そのような中、Cブロックの黒田選手と神崎選手に注目が集まりました。黒田選手は手返し早く数では神崎選手をリードしますが小型中心。一方の神崎選手は、数は負けているものの今大会1の大物を釣り上げるなど総重量を伸ばしていきます。
90分の試合終了。検量の結果、Aブロック1位は393gを釣った原選手、Bブロック1位は561gを釣った坂手選手、そして注目のCブロック1位は712gの好釣果を上げた黒田選手でした。Cブロックの神崎選手は624gを釣り上げてブロック2位でした。

第5試合(大会2日目)

ここまでの4試合を終えての暫定順位は1位坂手選手(31ポイント)、2位黒田選手(30ポイント)、3位神崎選手(28ポイント)、4位原選手(27ポイント)、5位高本選手(25.5ポイント)、6位田中選手(24ポイント)となりました。
上位6名のブロック分けを見てみると、Aブロックに1位の坂手選手、2位の黒田選手、3位の神崎選手が入っており注目を集めました。Bブロックの4位原選手、Cブロックの5位高本選手と6位田中選手も上位3選手の成績によっては決勝戦進出の可能性もあります。
最後の予選リーグ第5試合がスタート。
Aブロックは第4試合と同様に渋い状況で、数・型ともに伸び悩む展開。並んで竿を出すポジションとなった黒田選手と神崎選手は、これまでの試合ほどではないものの確実に釣果を伸ばしていきます。一方で苦戦していたのが暫定1位の坂手選手。第4試合まではほとんど見られなかった素針を引くシーンが何度もあり、釣座を移動してキスを探す場面が何度も見られました。
暫定4位の原選手(Bブロック)や5位の高本選手と6位の田中選手(Cブロック)も決勝戦進出を狙い釣果を伸ばしていました。やがてホーンが鳴り2日間に渡る予選リーグが終了しました。
 
いよいよ検量。Aブロックの1位は377gを釣った黒田選手、2位は335gを釣った神崎選手。坂手選手は219gでAブロック5位となりました。Bブロック1位は461gを釣った妹尾泰博選手で暫定4位の原選手は451gでBブロック2位。Cブロック1位は616gを釣った田中選手で2位が572gを釣った高本選手となりました。
 
予選リーグの結果は、黒田選手が合計38ポイントを獲得して予選リーグ1位、神崎選手と坂手選手は合計35ポイントで並び、占有率で2位が神崎選手、3位が坂手選手となり決勝進出を決めました。暫定4位の原選手は34ポイントで惜しくも1ポイント届かず。

決勝戦

決勝戦の競技エリアは海に向かって左か30m間隔でA・B・Cのブロックに分けられます。第1〜第3までの3ラウンドを各ラウンド30分の競技時間で戦います。3名の選手は5分間のインターバルをとってブロックをローテーションしながらキスを狙います。ローテーションの順番はA B C、B C A、C A Bで、第1ラウンドのブロックは予選通過上位選手から選んでいきます。
 
予選1位通過の黒田選手が選んだのはBブロック、続いて神崎選手がCブロックを選んだので坂手選手はAブロックからスタートとなりました。
 
10時20分、ホーンの合図で決勝戦第1ラウンド開始。まずキスを釣り上げたのはAブロックの坂手選手で2連。そこからは3選手が2〜3連で次々とキスを釣り上げ、開始20分で黒田選手が20匹を超えました。坂手選手、神崎選手もほぼ同じペースでキスを釣り上げています。
10時50分に第1ラウンド終了。釣った匹数はAブロックの坂手選手が24匹、Bブロックの黒田選手が25匹、Cブロックの神崎選手が26匹で、神崎選手が匹数でリード。ただ、各選手ともに小型中心で、重量で大きな差はついていない状況です。
 
5分のインターバルの間にブロックを移動し、10時55分、第2ラウンドがスタート。
ここでAブロックに入った神崎選手が1投目に良型のキスを釣り上げました。1匹で小型キスの5匹分、2投分に相当するサイズです。さらにBブロックの坂手選手も良型を釣り上げて重量を上げていきます。ただ、神崎選手と坂手選手は第1ラウンドと比べると匹数が伸びない様子。
一方、このラウンドで匹数を大きく伸ばしたのがCブロックの黒田選手。手返し早く、2〜3連でキスを釣り上げていき30分で30匹の釣果を上げました。ただ全体的に小型中心で、サイズは神崎選手(16匹)と坂手選手(15匹)の方が上回っています。重量で誰がリードしているかわからないまま、いよいよ第3ラウンドのスタートです。
 
11時30分、最終ラウンドがスタートすると3選手ともにキスを釣り上げていきます。このラウンドでも数では黒田選手が少しリードしますが、一方で「神崎選手と黒田選手は手返しが早いので、自分は目方(重量)にこだわろうと思いました」という坂手選手が大きめのエサをつけてワンサイズ上のキスを釣り上げています。
やがて最後のホーンが鳴り、決勝戦が終了しました。
決勝戦での合計釣果は黒田選手が80匹、神崎選手が62匹、坂手選手が59匹。ただ総重量での勝敗は検量までわかりません。
 
検量がスタート。検量の結果、見事栄冠を勝ち取ったのは737gを釣った坂手選手。続いて2位が691gの黒田選手、3位が663gの神崎選手となりました。重量にこだわった釣りを展開した坂手選手が、見事三連覇を達成しました。