第8回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP

  • 大会レポート

第8回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP
予選2024 in 広島大会


1位 河村 健治 選手/2位 矢田 誠 選手/3位 山本 良次 選手/4位 藤本 寿郎 選手

日時 2024年5月18日
場所 広島県 廿日市 ボートパーク
天候 晴天

「炎月×FREE SLIDE 鯛ラバCUP」の9月21日に行われる決勝大会への進出権がかかる重要な予選会のひとつ広島大会。前週開催予定の九州大会が延期となったため、今年最初の予選会となった。舞台となるエリアは瀬戸内海屈指の鯛ラバフィールドと言える広島沖。低気圧の影響で前日までシケが残っていたが、当日は快晴で波も穏やかになり、絶好のコンディションのなかでの開催となった。

 

大会本部が設置された廿日市ボートパーク公園内の駐車場には、受付時間前から参加者たちが集合。普段から参加艇で鯛ラバを楽しんでいる参加者が多いなか、関西や関東など遠方からエントリーした鯛ラバフリークも見受けられた。ハイレベルな戦いとなることが予想され、本部前は早朝から熱気と緊張感に包まれていた。

 

受付が終わると、タックルチェック、大会ゲストの赤澤康弘さんから競技説明等があり、参加者は受付時に引いたクジに従って魚籠1号、魚籠3号、泰光、海神に分かれて乗船。6時前に出船して広島沖へ向かった。船足の違いもあるため参加艇はいったん横島沖に集合し、合図とともに中島や片島沖など、船ごとに周辺の海域へ移動して競技が開始された。

 

 

受付後、乗船する船と釣り座を決めるクジ引きを行った。勝負はここから始まっている。

大会役員によるクーラーなどのタックルチェックも行われた。

朝焼けのなか船に乗り込み、出船を待つ。天気にも恵まれて最高の釣り日和だ。

参加艇はいったん横島沖へ集まり、合図とともに各ポイントへ移動。競技開始となった。

 

 

今大会は、25㎝以上のマダイ3枚の総重量で勝敗を決定。横取り方式で行われ、各船の1位の選手4名と各船2位の選手のうち上位1名の5位までを表彰。決勝大会へは各船の1位(上位4名)が進出権を獲得できる。船上での安全等を重視して釣り座のローテーションは行われず、船はドテラ気味に流されるため、釣り座ごとにどのように攻めるかも釣果に影響する興味深い部分となった。


船長の話では、今回の舞台となる中島沖周辺は、産卵前の個体、産卵後の個体、産卵に関係しない個体が混在しており、マダイが底にべったりついていることもあれば、浮いている状況もあるとのこと。水深も深場、浅場ともに魚がいるので、絞りにくく釣りにくい状況だという。ベイトはナマコ、タコ、貝類、カニ、ゴカイ類などの底モノがメイン。典型的なアフター(産卵後)のパターンで、けっこう上まで追ってくることも多く、鯛ラバをある程度、上のタナまで巻き上げてから落とし直すほうが反応を得られることが多いとのこと。船長が伝える魚探の反応や水深、潮の速度などの情報から、ヘッドやネクタイの仕様、リトリーブのスピードなどをいち早くアジャストさせることが、釣果のカギになると予想された。

 

大会運営をサポートするために、ゲストの赤澤さんは魚籠1号に乗船。赤澤さんがスタート前から注目していたのがネクタイの使い分け。とくに全国的に人気となっている厚いカーリーテールの使いどころ、投入のタイミングについて。「アフターの個体も多いという状況下で、コンディションのいい魚ばかりではないし、厚いネクタイへの反応が悪くなる時間帯も出てきます。潮流によっては細いネクタイが効く状況もありますので、適材適所での使い分けが重要になります。その見極めができた人が上位に入ると思いますよ」と赤澤さん。

 

アフターの魚が多いということから、喰い渋りを予想する参加者、関係者も多いなかで、魚籠1号は中島沖の80~100mラインを中心に流し、40~60㎝クラスを中心に順調にマダイをキャッチ。別の船では水深110m超でもマダイが釣れており、潮流が速くなってからは70mラインを流しても釣果が出るなど、「さまざまなマダイが混在しており、浅場にも深場にもいる」という船長の言葉通りの状況となった。リリースサイズも混じったが、全体的に型はよく、産卵後の個体が多かったようだ。1人で7~9枚釣り上げた参加者もいるなど、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。

 

 

朝イチから順調にマダイがヒット!ハイレベルな戦いが繰り広げられた。

釣れるマダイはアフターの個体が多かったが、きれいな魚体をした個体も見受けられた。

魚籠1号では69㎝のグッドサイズも釣り上げられた。釣ったのは3位入賞を果たした山本良次選手。

アタリをとらえてフッキング成功! 時合にはダブルヒットすることもあった。

ランディングなどをサポートするゲストの赤澤さん(写真手前)。


ヒットした鯛ラバの一部。アフターでは定番といえるスリムで薄いネクタイに反応が集中する時間帯もあった。

 


午後2時にストップフィッシングとなり、1時間20分ほど走って参加艇が帰着。到着した船の選手から、順次、大会本部にて検量が行われた。60㎝オーバーも数匹持ち込まれ、4船で120枚以上のマダイがキャッチされており、広島沖のポテンシャルの高さを物語る結果となった。船によってポイントが異なるため違いはあるが、90~160gのタングステン製のヘッドを使用した参加者が多く、ネクタイを含めたカラーは、深場でもシルエットがはっきりと出やすい赤や黒、定番のオレンジなどのカラーに反応がよかったようだ。赤澤さんの注目していた通り、厚いネクタイの使い方とタイミング、他のネクタイとの使い分けが釣果を左右し、上位入賞のカギとなった。

 

 

帰港後は船ごとに検量。喰いが渋いという事前情報も流れていたが、3枚揃えてくる選手が多かった。

 

 

 

検量の結果、優勝は河村健治選手(5.54kg)、準優勝は矢田誠選手(5.12kg)、3位は山本良次選手(5.08kg)、4位は藤本寿郎選手(3.96kg)、5位は川原広吉選手(5.20kg)となり、上位4名が9月21日に福岡県北九州市で開催される決勝大会への進出権を獲得した。表彰の後は抽選会も行われ、第8回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP 予選 in 広島は盛況のうちに幕を閉じた。

 

 

魚籠1号に乗船し、戦況を見守ったゲストの赤澤康弘さん

 

 

ゲスト 赤澤康弘のコメント
全体的に数はよく釣れていました。ただ、アフターの魚が多く喰い込みはさほどよくなかったようで、良型がバレるようなケースも見受けられました。ネクタイについては途中から極端にパターンが変わったように感じました。最初は厚いネクタイに反応が良かったのですが、途中で細くて薄いネクタイに反応が偏る時間帯がありました。厚いネクタイは流行っていて実績はありますが、やはり使いどころを見極める必要があるのかなと思います。潮が速いとき、マダイのコンディションのいいとき、朝イチなどは、強い波動でアピールできる厚いネクタイに反応しやすいと思います。ちょっと喰い渋ってくるとそのままのネクタイで通すよりも、ネクタイを変更するなどの変化を与えたほうがアタリが出やすくなると思います。分厚いネクタイは明石エリアで生まれたのですが、潮流が速いところでは、薄いネクタイではアピールが弱いといったところから出てきました。かなり厚いネクタイを出している船宿さんもあり実績もありますが、潮流に比例して使い分けると結果が出やすくなるのではないかと思います。皆さんもいろいろとネクタイ調整を考えて、長くアタリが続くよう工夫されると釣果につながると思います。

 

 

 

優勝 河村健治選手(5.54kg)
出船前から渋いという情報を聞いていたので、細めのカーリーテールのネクタイを使ってリミットメイクしました。サイズアップを図るためにビッグカーリーの赤/オレンジ系を使用しました。船がだいたい水深100m前後の場所にいて、潮もけっこう速かったので、使用したヘッドは160gのタングステンです。底をねっちりとゆっくり目に引いていいサイズを獲りました。当たってきたのは底から少し上くらいです。トータルで7枚釣り上げました。

 

 

 

2位 矢田誠選手(5.12kg)
鯛ラバのヘッドはタングステンの125gの赤色で、最後だけ160gを使用しました。ネクタイは分厚いビッグネクタイです。大きいのを釣りたかったので、ハンドル40回転ほど巻いて上のタナまで探りましたが、アタったのは5回転まででした。巻き上げのスピードは1秒に1回転ほどの普通の速度でした。トータルで9枚釣り上げました。

 

 

 

3位 山本良次選手(5.08kg)
出船前に船長が深場のアフターを狙いに行くと言っていたので、120gのタングステン、カラーはシルバーで通しました。ネクタイは、朝イチは強波動のオレンジ、赤を使って40~50㎝を1枚獲れました。その後は喰いが止まったので、流し直すたびにネクタイをチェンジして、潮の速くなったタイミングではスリムタイプを使用し、69㎝を釣れたのが勝因だと思います。底から10mはデッドスローで動かし、その後は速巻きで30回転ほど探りました。

 

 

 

4位 藤本寿郎選手(3.96kg)
ベイトタックルは125gのタングステン、スピニングタックルは90gのタングステンを使用しました。ネクタイは厚めの赤色を使い、トータルで7枚釣り上げました。リトリーブはベイト、スピニングともにスローで、アタってきたのは全て底のほうでした。朝のうちが良くて、いったん喰いが止まったのですが、後半また数枚を追加できました。

 

 


5位 川原広吉選手(5.20kg)

 

 

抽選会が行われ5名の選手が景品をゲット。

 

 

 

 

アフターの絡む難しい状況ながら、集中力を切らすことなく広島沖のマダイに挑んだ選手たち。熱中症やケガなどのトラブルもなく無事に大会は終了した。

成績表

成績表はこちらからご覧いただけます。(PDF形式)


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