第9回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP
第9回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP
予選2025 in 高松大会
左から2位の窪田 聡 選手、優勝の立川 研二 選手、3位の柴田 洋平 選手
日時 | 2025年7月5日 |
---|---|
場所 | 香川県高松市立石漁港 |
天候 | 晴天 気温36℃ |
7月5日(土)、香川県・高松沖を舞台に「第9回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバCUP 予選 2025 in 高松大会」が開催された。本予選は当初、5月10日に実施予定だったが、天候不良のため延期となり、この日に振り替えられた。
大会本部が設置された高松市・立石漁港には、受付時間前から多くの参加者が集まった。日頃から参加艇で鯛ラバを楽しんでいる常連のほか、関西や関東など遠方からエントリーした選手の姿も見受けられた。今年度最後の予選ということもあり、会場は早朝から熱気と緊張感に包まれていた。
当日は、昼頃から風が強くなる予報が出ていたため、スタートおよび納竿時間がともに30分繰り上げられ、受付終了後、本部前にて開会式が行われ、大会運営をサポートするゲスト・赤澤康弘さんより競技説明などが伝えられた。
その後、参加者は事前に決められた参加艇のアンタレス、香川フィッシングサービス、海童、ポセイドン、レッドスナッパー2ゆうや便、レッドスナッパー2まこと便、遊漁船・京、千秀丸船に乗船。釣り座は、受付時の抽選によって決定されている。各船で記念撮影を行ったのち、順次出船。公平を期すため、一度「長崎ノ鼻」付近に集合し、合図とともに周辺海域へ向けて移動、競技がスタートした。
受付時には釣り座を決めるクジ引きを行った。
天候を考慮して予定より早く開会式を行うことに。
競技説明をするゲストの赤澤康弘さん。
出船前に記念撮影
港から一斉に出船できないため、湾の出口付近に集合。スタートの合図とともに、ここから各ポイントに移動して競技スタートとなった。
今大会は、25cm以上のマダイ3枚の総重量で勝敗を決定。横取り方式で行われ、各船の1位となった選手のうち、上位8名が表彰される。決勝大会への進出権は、上位5名に与えられる。
なお、船上での安全確保を優先し、釣り座のローテーションは行われない。潮の流れ方によっては釣り座ごとに攻略法が異なることもあり、これが釣果に影響する点も興味深い要素となった。
船長の話によれば、乗っ込み(産卵)はほぼ例年通りに進行しており、多くのマダイは回復傾向にあるという。マダイの数自体は例年より多いものの、エサの多いエリアとそうでないエリア、マダイがいるエリアといないエリアが明確に分かれている状況で、マダイはタコやイカの子、アミエビ、ユムシなどを捕食しているとのこと。潮回りが小さく、片舷のみで釣ることになるため、タフな戦いが予想された。
ゲストの赤澤さんは、ポセイドンに乗船。今大会で注目していたのは、スピニングとベイトの使い分け、ネクタイのボリューム、そして巻き上げのスピードだった。
「水深は15〜20mほどのシャローがメインです。朝は1匹釣れると、周囲のマダイにも“エサを喰わなければ”という競争意識が働き、2匹、3匹と連続で釣れる状況が続いています。活性の高い個体を、いかに底から引き剥がすかがカギ。そのためには、タッチアンドゴーが大切。着底後すぐの巻き上げが必須です。さらに、巻き上げスピードの調整も重要。まだアフター(産卵後)の状態が残っており、完全には回復していません。速すぎると追いきれないので注意が必要です。ただ、うまく底から引きずり出せれば、2匹目、3匹目が反応し、船全体の釣果も伸びるはずですよ」と、赤澤さんは語った。
ポセイドンの林船長は、朝の潮変わりの時間帯を有効に活用するため、移動時間を最小限に抑え、集合場所のすぐ近くに狙いを絞って15〜20mラインを流した。すると、ひと流し目から本命のマダイが3連発。50cmクラスも混じり、快調な滑り出しとなった。
9時前になるとアタリが少なくなったものの、潮の状況に応じてポイントを柔軟に移動しながらマダイを追加。なかには1人で10枚以上を釣り上げた参加者もおり、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。
朝イチから順調にマダイがヒット! このサイズがよく釣れていた。
女性アングラーも複数参戦。ほとんどの選手が釣果を手にしていた。
朝の開始直後と昼の潮変わりのタイミングで良型が混じった。
12時30分にストップフィッシングとなり、立石漁港には次々と参加艇が帰着。到着した船の選手から順に、大会本部にて検量が行われた。今回は大型の釣果こそなかったものの、60cmオーバーのマダイも持ち込まれ、多くの参加者が魚を検量。高松沖のポテンシャルの高さを示す結果となった。
ポイントは船によって異なるものの、いずれもシャローエリアが中心で、スピニングタックルを使用する参加者が多かった。中でも、タングステン製の小型ヘッドや、小ぶりなネクタイといったシルエットの小さい鯛ラバへの反応がよかったようだ。
また、朝と正午の潮変わりのタイミングで良型を手にした選手が、上位入賞を果たす展開となった。
各船ともよく釣れており、多くの選手が検量を受けた。
60㎝を超える良型も釣り上げられていた。
検量の結果、優勝は立川 研二 選手(5.90kg)、準優勝は窪田 聡 選手(5.32kg)、3位は柴田 洋平 選手(4.68kg)に。また4位は佐藤 竜二 選手(4.64kg)、5位は橋本 延行 選手(4.20kg)となり、この上位5名が9月28日に広島県で開催される決勝大会への進出権を獲得した。表彰の後は抽選会も行われ、第9回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP 予選 in 高松は盛況のうちに幕を閉じた。
優勝 立川 研二 選手(5.90kg /香川フィッシングサービス)
【選手のコメント】
朝のアタリが出ている時間帯にオレンジと赤のリバーシブルのシングルネクタイ、赤のシングルネクタイをダブルで付けて、ゴミが多かったのでバーチカルに攻めました。巻き方はゆっくり目で、ネクタイの動きをイメージしながら丁寧に巻いて釣りました。ロッドはエンゲツ BBでスピ二ングとベイトを準備していましたが、魚を釣ったのは全てスピニングタックルでした。釣ったときのウエイトは60gです。
2位 窪田 聡 選手(5.32kg/レッドスナッパー2ゆうや便)
【選手のコメント】
ロッドはエンゲツ プレミアム B72M、リールは18エンゲツ プレミアムを使用しました。ヘッドはタングステンの60gと鉛の45g。釣ったのは朝と昼前のタイミングです。厚みのあるネクタイを用いて、底から魚をはがすようなイメージでゆっくり巻いて釣り上げました。
3位 柴田 洋平 選手(4.68kg/千秀丸)
【選手のコメント】
使用したロッドは、クロスミッションXR、セフィア リミテッド ティップエギング、エンゲツ エクスチューンの3本で、全てスピニングです。リールはステラのC2500~4000を組み合わせました。ヘッドのウエイトは30g、45g、60gの3種類を使い分けました。朝は1枚釣れたくらいでした。途中からテンションフォールで落としてからの巻き上げでアタリが出るようになり、ラスト2時間ほどでまとまって釣れました。トータルで9枚釣り上げました。
4位 佐藤 竜二 選手(4.64kg /海童)
5位 橋本 延行 選手(4.20kg /レッドスナッパー2まこと便)
6位 三田 敬治 選手(4.10kg /遊漁船・京)
7位 森江 友哉 選手(2.52kg /ポセイドン)
8位 岡利 悟志 選手(2.46kg /アンタレス)
4.74kgをマークした出来 沙耶加 選手がレディース賞を手にした。
決勝大会に進出する上位5選手。
豪華景品が当たる抽選会も行われて大いに盛り上がった。
潮変わりのタイミングでいかに良型を攻略するかが勝敗を分けた高松大会。数釣りを楽しんだ選手も数多く見受けられた。