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投(キス)釣り選手権大会
第37回(2023年度)全国大会 大会結果
シマノ ジャパンカップ 投(キス)第37回(2023年度)全国大会 大会詳細
1位 坂手 良祐 選手/2位 東条 正浩 選手/3位 佐織 尚史 選手
日時 | 2023年6月17日(土)、18日(日) |
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場所 | 弓ケ浜(鳥取県) |
主催 | 株式会社シマノ |
後援 | 鳥取県米子市、米子市観光協会、公益財団法人とっとりコンベンションビューロー 皆生温泉組合、皆生グランドホテル天水 |
天候 | 晴れ |
去る6月17日(土)、6月18日(日)の2日間にわたり、鳥取県弓ケ浜にてシマノ・ジャパンカップ投げ(キス)釣り選手権大会を開催いたしました。
今大会に出場したのは、全国各地で開催された地区大会からセミファイナル大会の激戦を勝ち抜いた精鋭20選手に、2022年度全国大会上位入賞者3名のシード選手を合わせた23選手(1名欠席)。
全国大会の舞台は大山の麓に広がる白砂青松の地、弓ヶ浜。数も型もねらえる抜群の魚影を誇るキャスター達から人気の釣り場です。時間や日毎に応じて状況は刻々と変化し、釣果を上げるにはその状況に合ったテクニックが求められます。まさに全国大会の舞台に相応しい釣り場です。
しかし、今年の弓ヶ浜は水温が低めで推移したせいか、例年と比較して喰いは渋く、釣れる型は小さめ。例年以上に良型1匹の持つ価値が大きい戦いとなりました。
大会前日には、翌日から始まる予選リーグ5試合のブロック分け、出走順が決定する抽選会が行なわれました。また、昨年より、SDGsを見据えた取組に則り、水産資源保護の観点から、競技時間を1試合60分に短縮し、10匹までの総重量で勝負が争われることになりました。ハリ数も5本以内です。去年の経験を踏まえ、選手たちはどのように調整してきたか、気になるところです。
予選リーグで選手たちはA・B・Cの3ブロックに分かれて5試合を戦い、釣りあげたシロギス10匹の総重量によって各ブロックで順位が決定。その順位に応じて各試合でポイントを付与。そして、予選リーグ5試合の合計ポイントで総合順位が決まり、上位3名が決勝戦進出となります。
第1試合(大会1日目)
大会初日、6時45分に選手たちは本部のテント前に集合し、タックルチェックをすませて競技ブロックへ移動。7時20分、予選リーグ第1試合がスタートです。下見や事前情報を分析し、2〜3色をねらう選手が多い印象です。10匹を揃えたら、あとはいかに良型を入れられるかですが、今年の弓ヶ浜は16〜17㎝で揃えるのが難しい状況です。20㎝以上が1匹でも入るとブロック1位に一気に近づきます。
60分の戦いが終了。検量前に10分間の選別時間が設けられ、この時間で選手たちは自分が釣った中で最も重量のある10匹を選び、検量に持ち込みます。各自、電子測りなどで、シビアに選定を行なっていました。
検量の結果、Aブロック1位は297g釣った妹尾泰博選手、Bブロック1位は248g釣った東条正浩選手、Cブロック1位は308g釣った大川和佳選手となりました。大川選手は一投目で良型を含む4連。これが決め手となり、300gの大台に乗りました。
第2試合(大会1日目)
9時5分、予選リーグ第2試合がスタート。海面はとても静かで、もう少し風が吹いてくれると、魚の活性は上がりそうです。2試合目は少し釣果が落ちるのが例年の傾向で、300gを超える選手はいませんでした。
Aブロック1位は243g釣った坂手良祐選手、Bブロック1位は244g釣った和田昌孝選手、Cブロック1位は281g釣った佐織尚史選手となりました。連覇がかかった坂手選手。第1試合は3位でしたが、第2試合目はしっかりと合わせてきました。
第3試合(大会1日目)
昼食を挟んで11時35分から第3試合がスタートします。少し風が出てきたので、喰いがよくなりそうです。試合結果は、Aブロック1位が266g釣った和田選手、Bブロック1位が238g釣った石田高生選手、Cブロック1位が258g釣った坂手選手となりました。ディフェンディングチャンピオンの底力を見せつけられた試合でした。坂手選手は30分経過して、釣果はピンギス3匹のみ。見切りをつけて、大きく移動した先では、1投目に16〜17㎝の5連、次に20㎝クラスを1匹。その後も釣れ続け、ラスト20分で一気にまくってブロック1位を取りました。
初日を終えて、暫定1位が坂手選手(22ポイント)、2位が佐織選手(21ポイント)、3位が東条選手(19.5ポイント)、4位が和田選手(19ポイント)、5位が同ポイントながら占有率により神崎昂志選手(19ポイント)、6位が石田選手(18ポイント)となりました。1試合ごとに順位が目まぐるしく変わるジャパンカップ。明日も2試合残っており、順位が大きく入れ替わる可能性もあります。
第4試合(大会2日目)
2日目は早朝5時に集合。タックルチェックを行ない、競技ブロックへ移動。5時25分に第4試合がスタートです。第4試合はA、Bブロックで、300gオーバーが出るハイウエイトな戦いとなりました。
検量の結果、Aブロック1位が334g釣った鷲巣隆洋選手、Bブロック1位が303g釣った伊藤幸一選手、Cブロック1位が290g釣った妹尾選手となりました。
第5試合(大会2日目)
7時10分、最後の予選リーグ第5試合がスタートです。4試合を終えて暫定順位は1位坂手選手(28ポイント)、2位佐織選手(27ポイント)、3位東条選手(26.5ポイント)、4位神崎選手(26ポイント)、5位石田選手(25ポイント)、6位伊藤選手(23ポイント)となりました。
上位6名のブロック分けを見てみると、Aブロックは3位の東条選手のみ、Bブロックは坂手選手と佐織選手のトップ争いに注目が集まります。Cブロックは4位の神崎選手、5位の石田選手、6位の伊藤選手による激闘が予想されます。3選手はここで1位か2位を取ると逆転で決勝へ滑り込むことができそうです。緊張の試合が始まりました。
ここで周りをすぐに引き離したのが、Bブロックの佐織選手。2色投げて10mくらいサビいて待っていると、“ゴゴン”と大きなアタリ。なんと1投目が23cmを筆頭に良型の3連でした。すぐ近くでそれを目の当たりにした坂手選手。焦りが出てしまい、投擲でミスが出たり、仕掛けがミチイトに絡んだり、一気にリズムが崩れました。終了5分前でなんとか10匹を揃えるという試合内容です。
第5試合の結果はAブロック1位が334g釣った渡邊大作選手、Bブロックは288g釣った佐織選手が1位、Cブロック1位は315g釣った岡本哲選手となりました。Bブロック1位を取った佐織選手は合計35ポイントの1位で決勝へ。
東条選手はAブロックで2位となり、合計33.5ポイントを獲得し2位で決勝進出です。第2試合だけ3位でしたが、それ以外は2位以内という安定した強さです。
残る椅子は1つ。2試合目以降ずっと暫定1位だった坂手選手はまさかのブロック6位。7位とは1g差でした。
暫定4〜6位がひしめき合うCブロックでは、暫定4位の神崎選手が6位、暫定5位の石田選手が3位、暫定6位の伊藤選手が4位と、もう一歩届きませんでした。
決勝への最後の切符を手にしたのは、31ポイント獲得した坂手選手。4位の石田選手も31ポイント獲得していますが、占有率で坂手選手が0.05%上回りました。執念で勝ち取った決勝進出です。
決勝戦
決勝の競技エリアは海に向かって左から約30mの範囲でA・B・Cのブロックに分けられ、前半戦・中盤戦・後半戦を各30分の競技時間で戦います。5分間のインターバルをとってブロックをローテーションしながら釣っていきます。ローテーションの順番はA B C、B C A、C A Bになります。
予選1位通過の佐織選手がBを選択。川筋がいいと感じていたため、Bを選んだそうです。有望エリアを先に釣って、他の選手を引き離したい思惑です。2位の東条選手がAを選択、最後の坂手選手がCとなりました。
9時、ホーンの合図とともに決勝の前半戦がスタートです。佐織選手が境界線を跨いでしまう投擲ミスで、1投目は即回収。東条選手はピンギス2匹の一方、坂手選手は16㎝くらいの中型も混じった3連という出だしでした。
リズムよく釣っていく坂手選手に対して東条選手、佐織選手はトラブルに見舞われ、どこか地に足が着いていないようすです。一方の坂手選手は30gくらいの中型を3〜4つキープし、前半を終えました。
9時35分から中盤戦が開始。1投目は全選手ともピンギスの2〜4連。坂手選手の2投目は、エリアを跨いでしまったため、仕掛けを即回収。手痛いミスです。東条選手は5連、4連と続き、中型サイズも混じっています。佐織選手も予選から貫いている「止めて待つ」スタイルでじっくりねらいますが、良型が入らず苦戦。
試合後半になると潮の流れが変わり、右から左に流れ始めました。河川からの流入水は潮に引かれてA、Bエリアに影響を与えます。これがいい方向に働きました。
「3色くらいにいい潮が入ってきました」と坂手選手は後で語っています。その距離を集中的にねらい、良型を追加することに成功。東条選手は上げるたびに4〜5連ですが、型がなかなか上がりません。
10時10分、最後の30分が始まりました。中盤戦後半から変わった潮の影響によりA、Bエリアの状況がよさそうです。最初に仕掛けを上げたのがBエリアの坂手選手。良型1匹を含む3連でまたしても好スタートです。
Aエリアの佐織選手は小型の3連で、Cエリアの東条選手は素バリを引いてしまいます。その後、坂手選手は良型を含む4連で、他の選手を引き離します。途中からリリースする姿が頻繁に見られたので、坂手選手は中型以上で10匹揃えているのが分かりました。
10時40分、試合終了を知らせるホーンが鳴り響き、最後まで全力で戦った選手にギャラリーから拍手が送られました。
10匹の選別を行なった後、検量がスタート。検量の結果、見事栄冠を勝ち取ったのは348g釣った坂手選手です。続いて、2位が220gで東条選手、3位が184gの佐織選手となりました。終始安定した釣りを展開していた坂手選手が2人を大きく引き離しての優勝です。
「感無量です。自分を産んでくれた両親に感謝です。連覇のプレッシャーはありませんでしたが、周りから“優勝してほしい”という圧は強かったです。三連覇目指してこれから1年頑張っていきます」と涙を滲ませながら喜びと来年の抱負を語る坂手選手でした。