第7回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバ CUP

  • 大会レポート

決勝 2023 in 明石・淡路


1位 石上 憲一 選手/角田 雅斗 選手/3位 佐藤 力也 選手

日時 2023年10月14日
場所 兵庫県 明石市林崎漁港
天候 晴天

去る2023年10月14日、第7回 炎月×FREE SLIDE 鯛ラバCUPの優勝者を決める決勝大会が兵庫県 明石・淡路を舞台に開催された。この大会は、シマノとハヤブサが主催となり、鹿児島(天候不良のため2023年は中止)、北九州、明石・淡路、広島で予選大会を行い、その上位の方々が明石・淡路の決勝に進出することができるというもの。そのため決勝大会は、自ずと鯛ラバで腕に覚えのあるアングラーたちの熱い戦いになると予想された。しかし、実際は本部が設置されている明石市林崎漁港に集まった時点で知人と談笑している場面が多く見られ、その後の船上でも声を掛け合い、和気藹々とした雰囲気なのが印象的だった。

 

この決勝大会は、6月17日に行われた九州大会から上位6選手、6月18日に行われた明石・淡路大会からトップ11名と、各船2位のうちの上位2名の計13選手、7月30日の広島大会は横取り方式で行われ、各船の1位の方の中で、上位3選手が決勝大会に進出。前年度の優勝者を含め、23名の参加となる。そして当日は1名の不参加があったため、22名の選手で競い合うこととなった。

 

決勝大会の参加艇は村由丸と海豚。早朝、6時になると受付が開始。この受付時にクジを引き、どちらの船に乗るのか? そして釣り座が決められる。ちなみに大会ゲストの赤澤康弘さんによると、村由丸は浅場の鯛ラバを得意とし、数を釣らせつつ大型マダイを引き当てていく船。一方、海豚は深場の一発大物を得意とする船とのこと。参加者それぞれの得意なスタイルもあるため、この時点での運も試される。だが各地の予選大会を勝ち抜いてきた選手たちは、そんなことも予想してか、浅場用のキャスティング鯛ラバに対応するタックル、深場用のタックルと、どちらにも対応できるように準備。あとはその時の状況に合わせて、どう攻めていくかということだ。

 

 

 

乗船する船、釣り座は受付時のクジ引きによって決められる。釣り座は、移動できないルール。船によってスタイルの違いもあり、釣り座による善し悪しもある。この時点での運も試される。

 

 

その後、運営スタッフからの注意事項や競技説明があり、続いて大会ゲストの赤澤さんからコメント。
「昨日も明石の海に出ていましたが、今週になって少し水温が下がったことで、マダイの活性が下がり気味です。少し厳しい状況だと思います。ただ、各地から勝ち上がってきた皆さんですので、どうにかマダイを引っ張り出してくれると思います」とのこと。続いてゲストの冨士木耶奈さん、船長からも挨拶があり7時に出船となった。この決勝大会も予選と同様、25cm以上のマダイ3匹の総重量。3匹の総重量で上位に入り込むか、それとも3匹揃えずに大型を1、2匹だけでも上位に入る可能性もある。いずれにしても、型、数ともに揃えれば良いということだ。

 

 

 

ゲストの赤澤さん、冨士木さんから朝の挨拶。前日、明石の海に出ていた赤澤さんは、状況を解説してくれた。

 

 

取材記者は、赤澤さんとともに海豚に乗船。ポイント到着後に、船長の合図でスタートとなる。船は明石大橋西側の淡路島寄りの水深38mから流し始めた。水深が浅いためか、スピニングで鯛ラバをキャストして探る選手、ベイトでちょい投げ程度で探る選手に分かれた。そしてこの浅いポイントで幸先よく船中ファーストヒット。スピニングで投げて、広く探っていた選手だった。広島大会で優勝を手にした選手であり、スピニングでキャストして探るのを得意としていると言う。

 

 

最初に入ったポイントは、明石大橋西側の浅目のエリア。

幸先よく船中ファーストヒットを得た選手。浅いポイントで45gのヘッドでボトムまで沈め、ゆっくりと巻き上げヒットへと繋げた。

 

 

その後、船は水深70mの深場のポイントに入った。船長は「昨日は深場のポイントでボトムから40回ほど巻いたところでヒットした」という。夏のようにボトムだけでなく、秋は中層にチリメン(イワシの子ども)が回遊しており、その層も探ったほうが良いと教えてくれた。そこで探検丸を駆使して反応を見ながら、層を探っていく。

 

すると右舷、左舷とポツリポツリと釣果が出ていく展開に。ただ小型が中心。しかし8時30分には、時合に突入したのか連続ヒット。そのすぐ後に、左舷トモで良型もキャッチされた。中層まで探る作戦が功を奏した。ちなみに途中経過として、村由丸でもポツリポツリとヒットがあると伝わってきた。

 

 

時合に突入すると小型が中心だった釣果から、少しサイズアップした個体が出始めた。

極めつけはこのサイズ。特大ではないが、上位に入るのに可能性のあるサイズ。

 

 

その後、明石大橋の東側へ大きく移動。こちらも深場の68mからスタート。船はどんどん深場へ流されていく。船長は「ここのポイントではボトムでよくヒットする」とのこと。よりボトムタッチからのすばやい巻き上げが大切ということだ。そして根掛かりも多い。水深は変化していくため、選手たちより集中してボトム付近を刻んで探っていく。そしてここでは、ポイントに入ってからはいくつかの釣果が得られたが、その後は厳しい時間に突入。だが、何回かの流し替えの末、お昼前に入ったポイントで右舷の選手が良型を見事キャッチ。止まっていた潮が動き始めた頃だった。広島大会の時に赤澤さんが解説していたが、潮がきちんと動いている時は小型が多く、潮の動き始め、止まり際の潮の緩い時間帯に良型がヒットしてくることが多い。

 

 

 

明石大橋東側のポイントで、ミヨシ右舷のアングラーが良型をキャッチ。このマダイも上位に入るだろうと予想されるサイズだった。

 

 

その後、目立った釣果は無いまま13時のストップフィッシングとなり参加艇2隻は帰港。帰港後は次々と検量していく。釣果を得て検量に持ち込んだのは、15名。この結果から、簡単ではなかった状況だったことが分かる。そして集計が終わり、いよいよ表彰式。3位は海豚で2.91㎏の1匹の良型を釣り上げた佐藤力也選手。一匹の重量で入賞を果たした。そして2位は、村吉丸で数を釣り上げ、3匹で3.19kgを検量に持ち込んだ角田雅斗選手に。そして見事、優勝を手にしたのは海豚で9匹のマダイを釣り上げ、良型を含む3匹の重量で5.68㎏だった石上憲一選手だった。上位入賞者は3名とも関西在住のアングラー。簡単には釣れない明石の海で腕を磨いてきたアングラーである。

 

 

 

見事、優勝に輝いた石上憲一選手。良型を含め、9匹のマダイをキャッチし、3匹の合計5.68kgで断トツの1位に。

 

 

 

優勝者・石上憲一選手のコメント
船長からの「今浮いているよ、今ボトムだよ」といったアナウンスをしっかり聞いて、タナを合わせて釣果を得ていきました。ネクタイは最近釣果が増えている海豚オリジナルのシャッドという厚手のネクタイで、ボトムから丁寧に巻いていき20~30回巻いたところでのヒットが多かったです。ヘッドは炎月ヒューストンバクバクTGヘッド90g、ハリは4本バリを使用しました。4本のモデルにしたのは、前回、前々回の明石沖の釣行の時に、フックアウトすることが多く、海豚の船長から4本バリを薦められ、それをセットしたところキャッチ率が高くなったので今回も使用しました。今回使用したネクタイは、4本バリでも絡むことがないのですが、通常のネクタイでは絡むので、その場合は2本バリなど、使用ネクタイによって使い分けています。

 

 

 

2位に輝いた角田雅斗選手。角田選手も数を重ね、その中から良いサイズを選び3.19㎏で見事手にした。

3位に輝いたのは、海豚で同船し、終盤で良型を手にした佐藤力也選手。サイズが良かったため、この1匹で入賞に滑り込んだ。

 

 

順位表

 

 

 

決勝大会に参加した選手たちとゲストの赤澤さん、冨士木さん、そして船長。選手たちは闘志を燃やしただ競い合うだけではなく、楽しみながら決勝大会に参加していただいた。

 

 

ご参加いただいた選手の皆様、ご協力頂いた船長様、本当にありがとうございました。


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