(キス)釣り選手権大会

第40回(2025年度)全国大会 大会結果

シマノ ジャパンカップ 投(キス)第40回(2025年度)全国大会 大会詳細

冴える近距離のハイスピードサビキ
圧巻の2kg超え釣果で金田剛仁選手が初優勝!

 

 

1位 金田 剛仁 選手/2位 田島 雅倫 選手/3位 神崎 昂志 選手

日時 2026年7月11日(土)、12日(日)
場所 弓ヶ浜(鳥取県)
主催 株式会社シマノ
後援 鳥取県米子市、米子市観光協会、公益財団法人とっとりコンベンションビューロー
天候 晴れ

去る7月11日(土)、12日(日)、鳥取県・弓ヶ浜において「シマノ ジャパンカップ投げ(キス)釣り選手権 第40回全国大会」を開催いたしました。今回は初開催から40回目となる記念大会。“競う釣り”の先駆けとなったジャパンカップ投げ(キス)釣り選手権は、大きな節目を迎えることとなりました。

 

今回は熱中症対策として、1試合90分の予選リーグを45分ハーフとし、インターバルに10分の給水と休憩の時間を設けました(決勝戦は前半、中盤、後半のインターバルにそれぞれ5分)。
また、随時WBGT(湿球黒球温度)計測器によって暑さ指数を計測し、人体に影響を及ぼす体感的な暑さレベルの、いち早い察知に努めました。

 

今大会には、全国各地で行われた地区大会とセミファイナルを勝ち抜いた15名に、前年度の全国大会で上位入賞した3名のシード選手を加えた総勢18名の選手が参加(うち1名欠席)。

 

40回記念大会の会場となるのは鳥取県の弓ヶ浜。後方に霊峰・大山を望む白砂の海岸は「日本の渚100選」にも選出された風光明媚な所ですが、シロギスの濃さにおいても全国に名を馳せる投げ釣りの聖地です。
今期の弓ヶ浜は釣れ始めが遅く、例年なら釣果が安定する5月に入っても貧果が続いていました。6月になっても釣況は芳しくなかったのですが、7月に入ったところで状況が一変、一気に釣果が上向きました。

 

ハリ数は10本以内とし、勝敗は匹数制限なしの総重量で決定します。数を掛ける技術、型を狙う技術の双方が問われ、的確な状況判断と柔軟な攻めが要求されるルール設定です。
予選は2日間で計5試合が行われます。選手は6名ごとにA・B・Cの3ブロックに分かれて、各ブロック内での順位によって勝ポイントを付与。予選5試合における合計勝ポイントの上位3名が決勝へ進出します。

 

大会前日に開催された前夜祭では、予選の組み合わせ抽選が行われました。例年になくシロギスが釣れ盛っている今期の弓ヶ浜。見応えのあるハイスコアでの接戦が期待できそうです。

予選リーグ第一試合(大会1日目)

大会初日は朝から青空が広がる快晴。風もなく、絶好の投げ釣り日和となりました。午前5時に本部テント前に集合した選手たちは、競技説明とタックルチェックを済ませたのち、3グループに分かれて各競技ブロックへと移動。6時ちょうどに第一試合が始まりました。

 

事前情報を裏付けるように、2色以内の近距離で活発にアタリが入ります。10本バリにパーフェクトでシロギスが掛かってくる場面も頻繁に見られ、選手たちはかなりのハイペースで釣果を伸ばしていきます。

 

釣れてくるシロギスの型は、8〜10cmの小型から15〜16cmとサイズにバラツキがあり、20cmを超えるような良型は少ない印象。遠投してもさほど良型が混じらないことから、ほとんどの選手が2色以内を手返しよく攻めているようです。

 

90分の試合が終了しました。予選リーグは、第一試合からジャパンカップ史上において例を見ないハイスコアの激戦となりました。
全選手が1,300g以上の釣果を記録し、うち8名が2,000gの大台をクリアしました。爆発的な釣果に湧いた第一試合では、鷲巣隆洋選手、大知鼓太郎選手、鈴木涼選手がブロックトップで勝ポイント6を獲得。好スタートを切りました。

予選リーグ第二試合(大会1日目)

第二試合は8時50分にスタートしました。第二試合も第一試合と同様、近距離での釣り合いという展開になりました。

 

全エリアがひととおり攻められた後なのでシロギスの喰いはわずかに落ちたようですが、それでも依然としてシロギスの活性は高く、波口でも活発に喰ってきます。第二試合でも全選手が1,000gオーバーの好スコアをマーク。うち5名の選手が2,000g超の釣果を検量に持ち込みました。

 

ここで暫定トップに躍り出たのが24歳の新星・田島雅倫選手。木谷真一選手も暫定3位に順位を上げてきました。


【クリーンナッププロジェクト】
第二試合終了後は、昼食休憩を挟んでクリーンナッププロジェクトを実施。選手、スタッフ全員で海岸の清掃を行いました。

予選リーグ第三試合(大会1日目)

続いては第三試合。これまで計180分にわたって攻められた競技エリなので、さすがに活性の高い個体はかなり抜かれている様子。潮が満潮から下げに変わり、またこれまでの無風から向かい風に変わったことで海面がザワつき始め、シロギスの喰い方にも変化が生じてきたようです。

 

いくら魚影の濃い弓ヶ浜とはいえ、シロギスの活性とサビキの速度がマッチしないと喰わせきれません。いよいよ“掛ける技術”が問われる状況になってきました。

 

ここでグッと順位を上げてきたのが金田剛仁選手と神崎昂志選手。金田選手は昨年度3位、神崎選手は昨年度のチャンピオンです。昨年はシビアな戦いを勝ち抜いた2選手ですが、高活性時の手返し勝負においても実力を遺憾なく発揮しています。

 

初日の3試合を終えての暫定順位は、1位が田島選手(17ポイント)、2位が鷲巣選手(15ポイント)、3位が金田選手(14ポイント)で、同じく14ポイントで4位に入った神崎選手が追う展開。
さらに13ポイントの木谷選手と廣瀬貴志選手がピタリと後ろに付けているので、まだまだ勝負の行方は見えない状況です。

予選リーグ第四試合(大会2日目)

大会2日目も夏らしい抜けるような青空に恵まれました。大会初日から一夜明けた弓ヶ浜ですが、前日にかなり攻められたこともあり、高活性のシロギスはやや少なくなった様子。
それでも例年にない好調を維持する弓ヶ浜だけあって、第四試合も1,000g台半ばでブロックトップを争う好試合となりました。

 

検量の結果、Aグループでトップを獲得して1位に躍り出たのが鷲巣選手。あまたの競技会で好成績を残す実力者が抜群の安定感を見せます。田島選手、金田選手、神崎選手も鷲巣選手の背後をしっかり捕らえています。
わずか2ポイントの間に4選手がひしめく大混戦。すべてはこの後に行われる第五試合で決まります。

予選リーグ第五試合(大会2日目)

いよいよ運命の予選リーグ最終となる第五試合が始まりました。Aブロックでは暫定2位の田島選手と6位の大知選手が、Bブロックでは1位の鷲巣選手と4位の神崎選手が、5位の鈴木選手、Cブロックでは3位の金田選手と7位の廣瀬選手が対戦。決勝へ進出する3つの枠をめぐり、熾烈な戦いが繰り広げられました。

 

試合展開はこれまでと同様、近距離の手返し勝負。ただ、4試合を行った競技エリアでは群れの着き場にややムラが生じ始めており、この群れを捉えられるか否かが勝負の分かれ目となりました。

 

目まぐるしく順位が入れ替わる予選を終え、決勝へ進出したのは次の3名。1位から順に、24歳の新進気鋭、アグレッシブな釣りで強豪を次々に撃破した田島雅倫選手、昨年度3位、初優勝奪取に挑む金田剛仁選手、そしてディフェンディングチャンピオンである神崎昂志選手でした。

決勝戦

決勝戦の競技エリアは、予選では使用しなかったサラ場のエリアに設定。海に向かって1ブロック約30mの範囲で左からA・B・Cの3つのブロックに分け、選手は前半戦、中盤戦、後半戦の各ラウンドで、それぞれのブロックをローテーションします。(ローテーションは、A→B→C、B→C→A、C→A→Bの順になります。)

 

競技時間は各ラウンド30分の合計90分。ブロックを移動する際には、給水と休憩も兼ねて5分間のインターバルをとります。
 
第1ラウンドのブロックは予選リーグ上位の選手から選択します。1位通過の田島選手が選んだのは河口至近のAブロック。2位の金田選手は決勝エリア内で最も水深のあるCブロックを選択し、神崎選手は残ったBブロックに釣り座を構えました。
 
快晴の弓ヶ浜にホーンが鳴り響き、決勝戦第1ラウンドがスタートしました。予選では近距離の手返し勝負で勝ち上がってきた3選手。決勝戦でも2色以内でのスピーディーな釣りを展開します。
序盤はほぼ横一線の試合展開でした。サラ場だけあって10本バリにパーフェクトに喰わせる場面も目立ちます。テーパーラインが見えてからも活発にアタリがあるので、3選手とも波口まで丁寧に仕掛けをサビきます。

 

特に速い釣りを展開したのが神崎選手。「シロギスの活性が高いのはわかっていたので、とにかく投入のスパンを短くして、喰い気のある魚をスピーディーに拾いたかった」との言葉どおり、微妙にコースを変えながらリールサビキで順調に数を伸ばします。

 

金田選手も速い釣りに徹しました。狙いを1色半以内の近距離に絞り、投入から回収まで1分程度という速い手返しで釣果を重ねます。

 

一方の田島選手は、他の2選手よりやや遅めのサビキでアプローチします。後に「予選3試合が行われた大会初日に比べ、2日目は喰い気のある個体がやや広範囲に散っているように感じました」と語ってくれたように、速さより1投でなるべく多くの魚を掛けることを意識していたようです。

 

決勝戦第1ラウンドを終了した時点で、金田選手が87尾、神崎選手が84尾と驚異的なハイペースで競り合い、田島選手が62尾で後を追うといった状況。しかしクレバーな釣りに定評のある田島選手のこと。良型に効くとされるステイを交えた釣りで、どれだけの型を揃えているかが気になるところです。

 

エリアをローテーションして第2ラウンドがスタート。ここでも金田選手と神崎選手は超ハイペースの釣り、田島選手は速さに堅実さを絡めた釣りを展開しました。

 

ここでシロギスの釣れ方にやや変化が生じてきました。開始直後はそれまでと変わらぬペースで釣れ続けていましたが、第2ラウンドの中盤に差し掛かった頃から連掛けの数が減り始めたように見受けられました。
サラ場とはいえ、第2ラウンドからは他の選手が攻めたポイントを探る形になります。活性の高い個体はすでに抜かれているので、釣果が落ちるのは致し方ありません。

 

第2ラウンド終了時の釣果は、金田選手が157尾、神崎選手が144尾、田島選手が116尾。尾数のうえではやや開きが出てきました。

 

5分のインターバルを挟み、運命の第3ラウンドが始まりました。第3ラウンドではさらにシロギスの喰いが落ち、第1ラウンドのような10本バリにパーフェクトで喰わせる場面は、ほぼ見られなくなりました。

 

サッと引いただけの仕掛けでは数を伸ばせない状況。仕掛けを変え、サビく速度を変え、またサビくコースを変えながら、3選手は緻密な釣りで釣果を重ねていきます。

 

ここで底力を発揮したのが田島選手でした。これまでの試合展開から、数で田島選手が不利なことは誰の目から見ても明らかでした。かといってこれまでの堅実な釣りから速い釣りにスイッチしても、シロギスの喰いが落ちたこのタイミングでは金田選手と神崎選手に追いつくのは困難でしょう。

 

しかし田島選手は落ち着いて自分の釣りに徹します。我慢に我慢を重ねた試合終了間際、オモリが横走りするようなアタリで取り込んだのが、目測で22cmはあろうかという良型でした。
今大会におけるシロギスの平均サイズは8〜14cmといったところ。8cmと22cmでは10倍近い重量差があります。この執念ともいえる1尾には、ギャラリーから感嘆の声が上がりました。

 

そして試合終了。検量の結果、2,224gを釣り上げた金田選手が悲願の初優勝。2位には1,970gで田島選手、3位には1,938gで神崎選手が入賞しました。

 

「本来は近場の手返し勝負は苦手なんです(笑)。手返しの速さならアーロン君(田島選手)をはじめとする若い選手には敵いませんからね。ただ大会前の下見で、ちょっとした深みにシロギスが溜まっていることはわかっていました。ポイントの選択をはじめ、シロギスの活性に合わせた釣り方、仕掛け使いを心がけましたが、これがうまくハマったんでしょうね。昨年の3位から順位を上げることができたことは、素直に嬉しいです」

 

決勝戦前のインタビューでは「自信はありません(笑)」と語っていた金田選手ですが、他の選手を見ようともせず、自分の釣りを貫いた姿勢が印象に残りました。

 

来年はディフェンディングチャンピオンとしてジャパンパップに出場する金田選手。さらなる活躍に期待しましょう。